農業共済新聞記事バックナンバー

農業共済新聞7月2週号

土作りと雑草対策を徹底 有機の道を究める

大崎市田尻 伊藤正己さん

【大崎市田尻】「米作りが好きなんだ。安全・安心でいいものを作っていく。それがすべて」と話す、大崎市田尻の伊藤正己さん(70)。完熟堆肥での土づくりや大豆を使った雑草の抑制など徹底した管理で収量増と栽培の普及を目指す。

伊藤さんは、水稲8㌶のうち主食用米6・5㌶を20年前から農薬・化学肥料不使用で作付ける。管理では、土づくりと雑草対策を基本としている。
堆肥はもみ殻と牛ふん、わらを半年かけて完熟させる。10㌃当たり3㌧を稲刈り後と春先の2回に分けて圃場に入れ耕起。代かき前には、魚かすなどを原料とする有機質肥料を施し、地力を高めている。
また、2回の丹念な代かきを行い、田植え時にはとろとろとした状態に仕上げて初期の雑草を抑制している。
田植え直前には、10㌃当たり30~40㌔のくず大豆を散布。「くず大豆が水中で分解されて生じる成分『サポニン』に雑草を抑制する効果がある。徐々に分解することで継続的に効果が発揮され、生育に必要なチッ素成分の補給にも役立つ」と伊藤さん。大豆を散布する農機具も自作し、「動噴で散布していたころに比べ、より均一に散布することができ、労力も軽減され、効率も良くなった」と話す。
病害虫に強い丈夫な稲体作りも必要で、ポットで育苗。苗の段階で5葉まで育て、専用の田植機で根を傷めず植えることで、活着が良く分げつが増していく。
田植え後は深水で管理するほか、生育を見ながら水深を調整して苗を保護。抑草にもつながるため7月上旬まで行っている。出穂後は田面が日陰になり雑草の発生が抑制されるため、この時期までが勝負という。
伊藤さんは「試行錯誤して現在の栽培方法にたどり着いた。安全・安心な上、収量増につなげたい」と話す。生産された米は、農薬・化学肥料不使用米として、県内や東京方面の生協に出荷。今後は完全無農薬の有機栽培で、慣行栽培並みの10㌃あたり9俵の収量をあげることを目指す。
伊藤さんは「雑草との戦いは大変で、有機栽培に取り組む農家は減っている。有機の価値が認められて、栽培面積が広がってくれればいいね」と思い話す。

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