農業共済新聞記事バックナンバー

農業共済新聞10月3週号

手間と工夫で顧客獲得

蔵王町 佐藤 頼夫さん

【蔵王町】宮城の「芋煮」に欠かせないサトイモの収穫がピークを迎えている。地域を挙げてサトイモ栽培に取り組む蔵王町円田の佐藤頼夫さん(75)は「長雨の影響はあまり感じない。今年も例年通りの収穫量となりそうだ」と今年の出来を話す。

佐藤さんは、父の代からサトイモを手掛け、現在、畑15㌃で栽培するほか、蔵王町の蔵王里芋部会(我妻忠治部会長、部員25人)の副部会長を務めている。
「この地域の土壌は、火山灰で水はけが良く、サトイモ作りに適している」と佐藤さん。火山灰が風化した黒ボク土は保水性、透水性、通気性に優れ、日照りによる土割れなどは起きにくい。そのため、サトイモが肥大しやすく、独特のぬめり気が強く出るという。
栽培する品種は、独特のぬめりがあって煮物などに用いられる「土垂」で、5月に種芋を植え付ける。高温多湿を好むことから、夏場の水分蒸発を抑えるために黒マルチで覆い、除草、追肥を実施。葉が枯れてきてから収穫を行っている。
収穫後のサトイモは保存性を高めるために土付きでの出荷が多いが、佐藤さんは消費者に配慮し一工夫している。「泥付きサトイモを洗い流すと排水溝に泥がたまってしまい、詰まりの原因になる。泥を多く残さない程度にコンプレッサーを使って吹き飛ばしている」と話す。
また、サトイモをあえて切り離さずに袋詰めにして提供。切り離した切り口から水分が抜けてしまい、品質が低下するのを防いでいる。佐藤さんは「おいしい状態で味わってもらいたいから、手間と工夫を惜しまない」と話す。
この気遣いが好評を呼び、地元のスーパーや自宅近くの直売所などで販売すると、仙台や県外からも買い求める人が訪れるという。
佐藤さんは「サトイモを作る農家は少なくなっているがこれからも消費者に喜ばれるサトイモを作り続けていきたい」と抱負を話す。

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