農業共済新聞記事バックナンバー

農業共済新聞11月3週号

肉用、乳用牛を預託 地域の畜産を応援

加美町 加美町営薬莱原放牧場

【加美町】畜産経営の負担軽減と規模拡大を推進しようと、加美町の小野田地区に「加美町営薬莱原放牧場」が開場して1年たった。牛を通年預託でき、資料費低減、労力の軽減を期待する声に、放牧場管理主任の古内克秋さん(61) は「農家の理想とする牛の姿に近づけることができるよう努力していきたい」と気を引き締めて臨む。

薬莱原放牧場は、加美町がこれまで乳用育成牛だけを受け入れて運営してきた施設を整備するとともに、60㌶ほどの草地を造成し、肉用牛舎を新設。昨年7月から本格的に始動した。
乳用育成牛50頭、肉用牛150頭の通年預託が可能で、畜産農家は畜舎を増築することなく増頭でき、コスト・労力の軽減が期待できる。
また、飼養者の急な事故や病気などに対応し一時的に利用することもできるため、廃業を迫られる状況を防ぐ効果もある。
利用料金は、1頭当たり1日400円(税別)。現在、古内さんを含め4人で飼養全般を管理し、開場当初は70頭ほどだった預託牛が、肉用牛92頭、乳用牛50頭にまで増頭。肉用牛は年内中に100頭を目指すという。
「これまでの乳用育成牛預託は、春から秋にかけて放牧し冬に畜主に返す『夏山冬里方式』を取り入れていた」と古内さん。草地を自由に採食し十分な運動ができるため、強健で連産性を期待するものだったという。
しかし、担い手不足や高齢化が進み、労働力不足から不安定な経営に陥る畜産農家が顕著化。畜産農家全体の維持・拡大を目的とした運営へと移行した。
利用者のアンケートでは、「通年預託できる施設があり、頼りにしている。ありがたい」と好評を得るとともに、改善点もはっきりしてきた。
古内さんは「稲わら、牧草などの粗飼料は自給で、調達に合わせて人の配置に気を使うが、畜産農家の声に応えたい」と話す。
将来的には、新規畜産経営希望者や後継者の研修、小中学校の農業体験学習などに活用することも期待されている。古内さんは「町の農業拠点施設として注目されているため、しっかりと管理運営していきたい」と話す。

ページの上部へ