農業共済新聞記事バックナンバー

農業共済新聞1月3週号

特産セリ 一層の販路拡大へ

石巻市 高橋 正夫さん

【石巻市】「セリは寒くなるほど甘味が増し、より一層おいしくなる」と話す石巻市河北地区の高橋正夫さん(69)は、豊富な地下水を利用してセリを手掛けている。「この地区の伝統的な食材ということもあり、昔から作ってきた。せり鍋人気で根セリが注目されているが、葉セリも多くの人に食べてもらえるように普及に努めていきたい」と話す。

高橋さんは、水田55アールほどで出荷時期に応じてセリを数品種を栽培している。「河北地区での栽培の歴史は300年ほど前までさかのぼるといわれている。物心つくころからずっと栽培してきた」と高橋さん。収穫から出荷までの作業は、パートなど5人で行っている。
根セリは、5、6月に種セリとして残しておいたものを管理し、8月上旬から9月いっぱいをかけてセリ田に定植。10月から翌年の2月にかけて収穫する。
品種によって香りや色、日持ちの良さなどに違いはあるが、「少しでも新鮮な状態で消費者に届けたい」と、傷みそうなものを徹底して除去。その後、仕上げの水洗いをしてから結束するなど、みずみずしい状態を保つ工夫を凝らしている。
ここ数年のせり鍋人気で根が注目されてから、おひたしやしゃぶしゃぶ、てんぷら、キムチ漬けなどにして食されている。高橋さんは「需要に応じられるよう、今後も妥協せずにセリ栽培に取り組んでいきたい」と話す。
さらに高橋さんは、3月末から5月にかけて、根を付けずに刈り取って葉セリも出荷している。地元で古くから育てられてきた在来種「飯野川せり」で、長い年月をかけて淘汰されてきた伝統的な地場食材とされている。
夏から秋にセリ田に植え、春に収穫。厳しい冬を乗り越えて養分を蓄えた飯野川せりは、香りが良く、根セリとは違った味わいがある。
高橋さんは、「根セリとともに葉セリも広くさまざまな地域で食されるように貢献していきたい」と力強く抱負を話す。

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