農業共済新聞記事バックナンバー

農業共済新聞2月1週号

需要に応えたい 地域の保存食「へそ大根」

丸森町 JAみやぎ仙南丸森地区凍み大根部会

【丸森町】2月の寒空の下、丸森町筆甫地区では伝統の乾物ダイコン「へそ大根」が出荷のピークを迎えている。スローフードの高まりで全国的に知られ、へそ大根を求める声が増えている。「JAみやぎ仙南丸森地区凍み大根部会(会員14人)」の庄司一郎部会長(64)は「さまざまな制度を導入し、増産を目指したい」と話す。

へそ大根は、丸森町筆甫地区に伝わるダイコンの乾物で凍み大根の一つだ。初冬に収穫したダイコンの皮をむき、輪切りにしてゆでた後、断面の円を中心に串を刺し、寒空に1カ月ほど干して作る。
腐らせずに乾燥させるため、雨が降らない冬季の低湿度や空っ風が大切なうえ、夜の寒さで凍り、日中の暖かさで解凍を繰り返すことであめ色になり、柔らかく味染みが良くなる。
同地区が標高300メートルを超える高地で昼夜の温度差があることから盛んに生産され、2月が出荷のピークとなる。
乾燥と太陽の光を浴びることで、マグネシウム、カリウム、鉄分などの栄養価が10倍以上アップするほか、伝統食文化や食材を見直す運動の広まりで全国的に注目を集めている。
庄司部会長は「15年ほど前からへそ大根を作っている。ゆでる作業では、大きなアルミ鍋を用いて一度に60キロほどのダイコンを1時間かけてゆでている。水が黄ばんでくるため、2、3回に一度は水を替えなければならない」と話す。
畑地30アールで1万5千本ほどのダイコンを栽培し、天候を予測して収穫。ゆでて干すといった作業全てに神経を使うほか、一つ一つの作業が簡略化できない。ゆでた後は乾燥機を使用することなく自然に任せた製法で手掛け、仕上がりの良いへそ大根だけを厳選して出荷している。
出荷量は、同地区全体で4万5千袋ほどになり、1袋(100グラム入り)に生のダイコン1.5本に相当する15個前後のへそ大根が入っている。県内の生協などで販売するほか、一部県外でも取り扱っている。
庄司部会長は「毎年へそ大根を求める声が多く寄せられている。急激な増産は難しいが、中山間地域等直接支払制度などを利用することで需要に応えていきたい」と話す。

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