農業共済新聞記事バックナンバー

農業共済新聞3月1週号

生物と共生する冬季湛水水田

大崎市田尻 鈴木 要さん

【大崎市田尻】大崎市田尻の東北プランサービス(株)代表取締役の鈴木要(もとむ)さん(60)は、農薬や 化学肥料を使わず、冬季湛水した水田で「ふゆみず田んぼ米」を手掛けている。圃場は渡り鳥が休息する場となっていて、「自然の力を生かして育てたおいしい米を届けたい」と話す。

鈴木さんは、2005(平成17)年に父親から農業を引き継ぐと「環境などに配慮した付加価値のある米を作りたい」と水田3ヘクタールで冬季湛水栽培に取り組む。
鈴木さんの圃場の近隣には、ラムサール条約に登録された「蕪栗沼・周辺水田」があり、毎年多くのマガンやハクチョウが飛来する。冬季湛水は、渡り鳥が休息する場になるほか、多様な生物環境を生み出している。
「渡り鳥のふんは、リン酸を含んだ良質な肥料になる。また、菌類やイトミミズ、カエルなどが生存し、雑草や害虫を抑制する効果もある」と鈴木さんは手応えを感じている。
圃場は、12月ごろから2月末まで水を張ったままにし、その後落水して1カ月ほど乾燥させている。「渡り鳥が圃場をかき混ぜて凹凸ができるので、乾燥後に高低差を無くすように整地している。この一手間が春の耕うん作業や、水張りなどを効率よく行うために大事」と鈴木さん。土作りでは化学肥料を一切使わず、鶏ふんを主体とする有機肥料を10アール当たり60キロ用いて自然との共存を意識している。
移植は苗1~2本で疎植。病害に強い丈夫な苗になるよう風通しを良くし、田植え後は8月中旬まで生育に合わせて水深を調整している。鈴木さんは「苗の様子を見て深水管理をしている。雑草を抑える効果があり、水管理と除草を徹底した管理で、10アール当たり420キロの収量を目標にしている」と話す。
有機JAS認証米として、地元農産物直売所「安心市場さくらっこ」やインターネットで販売。「自然がつくり出した安全・安心な米」と好評を得ている。
鈴木さんは「皆さんに繰り返し購入してもらえるような、自然とともにつくり上げた安全・安心な『ふゆみず田んぼ米』を届けていきたい」と話す。
▽鈴木さん=☎0229-39-1610

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