農業共済新聞記事バックナンバー

2017年4月1週号

育苗ハウス利用して野菜多品目栽培

蔵王町 関口 英樹さん

【蔵王町】尽きない好奇心の先には、自分の中に取り込もうとする熱意がある。蔵王町の関口英樹さん(37)は、冬季に水稲育苗ハウスで多品目の野菜を栽培している。一般的な品種に限らず新品種や外国原産の珍しい野菜を育て、調理法に至るまでを会得するなど、充実した農業ライフを送っている。
関口さんは、県農業短期大学を卒業後就農。現在、水稲50㌶(受託含む)を作付けするほか、育苗を兼ねたビニールハウス12棟(20㌃)で多品目多品種の野菜、ウドなどの山菜、香辛料、ブドウを手掛けている。
多岐にわたる野菜の栽培は、6年ほど前から始めた。自分の食の好みに合っていておいしいか、飲食店がメニューに利用できて取引が可能かに重点を置いて選定している。
珍しい種や苗は、国内で栽培が可能かどうか確認を取ったうえで入手。これまでの経験や同じ科目・分類などに基づいて管理している。
「好奇心が旺盛で凝り性なので、インターネット、関連するブログから情報収集するほか、栽培状況や収穫物は主産国出身の知人に確認してもらい、自分のものにしている」と関口さん。「成功に限らず失敗もすべて記録してデータ化しているので、次回栽培する際にはおおむね予測ができ、習得に数年を要することはない」と話す。
冬季の育苗ハウスに限った栽培は、主食用米生産の妨げをしないため。水稲を作付けする圃場が広域に点在し管理に負担が掛かるので、夏場は水稲栽培に注力したいという。関口さんは「手掛ける作物すべてに妥協はしたくない。だからといって新技術を用いるのではなく、今ある技術・資材を使い、経費をかけずに自分の目標レベルに近づけている」と話す。
収穫した野菜の多くは、これまで築いてきた人脈を通じ、飲食店や青果店、近くのスーパーマーケットなどに提供。取引先からの依頼も多い。
収穫した野菜の多くは、これまで築いてきた人脈を通じ、飲食店や青果店、近くのスーパーマーケットなどに提供。取引先からの依頼も多い。販路は固定せず、常にメニューに生かしてくれそうな飲食店をリサーチ。数回通う中でオーナーと知り合いになり、納品する量や期間、食べ方など全般を提案し、信頼関係を築いたうえで納品している。
今後は、カレーに用いるカルダモン、ターメリック、フェヌグリークなどを栽培し、国産スパイスだけでカレーを作るなど、新たな取り組みも検討中だ。関口さんは「好奇心で始めた野菜作りの先に生産性を見い出すことができたら、農業がさらに楽しくなる」と自信を持つ。

 

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