農業共済新聞記事バックナンバー

2017年6月2週号

家族でつなぐ 黒毛和種の繁殖肥育牛一貫経営
千葉 啓さん (登米市)

【登米市】「家族でつなぐ一貫経営の基盤をしっかり固めて次世代にも残していきたい」と話す、登米市迫町の千葉啓(けい)さん(51)。息子の啓克(ひろかつ)さん(27)が7年前に就農し、黒毛和種の繁殖牛と肥育牛を飼養する一貫経営を家族全員で行っている。

千葉さんは、父・幹雄さん(79)、妻・慶子さん(51)、啓克さん夫妻と共に、黒毛和種の繁殖牛70頭と肥育牛130頭を飼養するほか、水稲9㌶、牧草20㌶を作付けしている。
肥育牛の飼養管理は啓さん、繁殖牛は啓克さん、育成牛を慶子さんと分担。啓克さんの妻・里絵さん(28)も子育ての合間をぬって手伝っている。
千葉さん方では以前、養豚業を経営していたが、30年前に啓さんが就農したのを機に黒毛和種の繁殖経営にシフト。1993(平成5)年に牛舎を新築し、徐々に自家産の素牛(もとうし)を肥育し始めた。「2010(平成22)年に息子が就農すると同時に繁殖肥育一貫経営の規模を拡大した」と啓さん。子牛の段階から統一した飼養管理を行うことで給餌体系が確立しやすく、市場から素牛を導入する経費の削減を図っている。
種付けはすべて啓克さんが行い「肥育牛の素牛は自家産が中心のため、繁殖親牛の受胎率を上げることに気を配っている。ここ数年は1年1産のペースを可能にしている」と啓克さん。出産後は人工哺乳を取り入れて子牛の状態を把握し、病気の早期発見、事故低減に努めている。
啓克さんは「発情確認や分娩予測などもITの時代で、今後は『モバイル牛温恵』という親牛の体温を管理するシステムの導入を検討しています」と話し、啓さんは「やっぱり基本は牛を良く観察すること。愛情を注ぎ手をかけることが大事」とアドバイスする。
登米地域では農業を担う後継者が増え、啓さんは研修生を受け入れるほか、農業関係機関の職員や県農業大学校の学生の人材育成にも一役買っている。
「父や祖父が築いた基盤を今度は私の娘たちにつないでいけたらと思う」と啓克さん。啓さんは「法人化も視野に入れ、地域農業振興の一翼となりたい」と意欲を見せる。

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