農業共済新聞記事バックナンバー

2017年8月3週号

V字仕立て、1芽摘芯切り戻し古川なす産地を先導

渡邊正彦さん(大崎市古川)

【大崎市古川】「農業分野でも見える化は必然なので、分かることは惜しまず伝えていきたい。」と話す、大崎市古川の渡邊正彦さん(51)。鉄骨ハウス230坪でナス「式部茄子」を栽培するほか、水稲8㌶、大豆6㌶を作付けしている。JA古川なす部会長としても高品質生産に向けた栽培技術・管理の伝承、部会員の所得向上に努め、県内一のナス産地をリードする。

渡邊さんは、土地利用型農業に施設園芸農業を取り入れて所得増につなげようと、1996(平成8)年からナス栽培を始めた。

栽培する品種は、皮が薄くて軟らかい式部。さまざまな料理にも適し、栽培しやすく、収穫が始まると途切れることがない。

3月上旬に60㌢間隔、坪当たり2・4本を目安に526本を定植しV仕立てにして、4月下旬から11月いっぱい収穫する。「定植する際、1番花が自分の方を向くようにすると、仕立てる枝の向きがそろう」と渡邊さん。「1番花のすぐ下の側枝1本を伸ばし、主枝と側枝の2本からさらに樹勢の強い枝を1本ずつ伸ばして全部で4本に仕立ている」と話す。

主枝4本につく花芽を着果させるほか、側枝を選んで花芽を着果。1株から多くの収量を上げている。渡邊さんは「側枝から1果収穫した後、1芽を残して側枝とする以外は切り戻す『1芽摘芯切り戻し栽培』と呼ぶ方法を取り入れ、新しい枝や葉に更新している。脇芽かきや摘芯は一度覚えれば同じ作業の繰り返しなので、新しく取り組む人でもすぐに技術を習得し収入につなげられるように見える化したい」と話す。

渡邊さんは、天候や気温のほか、めしべの伸長具合やがく割れなど、ナスの状態から分かるサインを見逃さずに施肥や潅水を実施。また、県のエコファーマー認定を受け、食の安全・安心の確保や環境にも配慮し、高品質のナス生産に取り組んでいる。

栽培技術の研さん、管理の徹底、所得向上に向けての取り組みは自身だけにとどまらず、JA古川なす部会長としても部会員を先導。栽培講習会や出荷査定会、さまざまな勉強会を行って品質の統一を図っている。

渡邊さんは「自分なりの農業、閉鎖的な考え方では通用しなくなる。生産から出荷までの工程を可視化してつないでいくことに力を入れていきたい。また、多くの人に『古川なす』の存在をPRしていきたい」と話す。

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