農業共済新聞記事バックナンバー

2017年9月2週号

「牛飼いの道を進む」削蹄学びながら3年目

猪俣喜征さん(登米市)

【登米市】「牛飼いを辞めようとしていた祖父を見て、この道を勉強し、やっていこうと決めた」と話す、登米市の猪股善征さん(24)。県農業大学校畜産学部を卒業後、削蹄を学びながら繁殖和牛経営を始めて3年目になる。「背伸びせず、知識や技術を一つ一つ自分のものにしていきたい」と話す。

猪股さんは2012(平成24)年、県農業大学校畜産部に入学し、在学中に家畜人工授精師と牛削蹄師の資格を取得。卒業後、同市の削蹄師・須藤二二夫さんもとへ弟子入りして経験を積みながら、、繁殖和牛16頭を飼養している。

「進学するか就職か悩んでいたとき、祖父が体力の限界だと牛飼いを辞めようとしていた。自分が大学で一から畜産を勉強して継ごうと思った」と猪股さん。「子どものころから牛に触れてはいたが、在学中は飼養管理以外のことも積極的に学ぼうと意識した。これから経験を積んでいきたい」と続ける。

飼養管理では、朝の給餌をしながら牛舎の清掃を行い、一頭ごとに健康状態を観察。その後、午前中は削蹄に携わり、午後は草刈り、重機オペレーターの仕事などに従事し、夕方の給餌、牛の観察を済ませて一日を終えている。

毎日のように削蹄で同市東和や中田、米山、南三陸町志津川方面に出向く中、削蹄以外のことでも師匠や先輩削蹄師に聞いて勉強。猪股さんは「みんな牛飼いなので、何でも相談できて心強い」と話す。

2016(平成28)年1月には、新規就農者支援事業等を利用して畜舎を新築し、繁殖和牛親牛が6頭から一気に16頭に増頭した。「祖父のうれしいそうな顔を見て、覚悟が決まった」と猪股さん。畜舎建築の際は、大学の卒業論文で畜舎についてまとめるため近隣の畜舎を見て回ったことを生かした。親牛が増え、今年の暮れから次々に分娩を迎えていくという。

所有する牛の人工授精は、基本的に自分で実施。発情とはっきり分からず見逃してしまうことも多いため、繁殖成績を上げることも課題の一つになっている。

猪股さんは「まだまだ見習いで毎日学ぶことが多いが、知識を身に付け、技術を磨いていきたい。飼養頭数を30頭くらいまで増やし、規模も大きくして取り組みたい」と意気込む。

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