農業共済新聞記事バックナンバー

2017年11月1週号

 

「自社産農産作物を使ってスイーツ       地域振興のー翼を 」

(株)深谷農産 (石巻市)

  • 【石巻市】「東日本大震災で離農者が増える中、地域を活気づけるためにも先に立ってやらなければと思った」と話す、石巻市の株式会社深谷農産の代表取締役・佐藤仁美さん(57)。受託農地、園芸施設で生産を手掛けるほか、2015(平成27)年にはスイーツブランド「ラルジュラッシュ」を立ち上げ、さまざまな商品を提供している。

 

  • 耕作放棄地解消からスタート  「緑」を大切にしながら

佐藤代表は、震災を機に地域で目立つようになった耕作放棄地を復旧させ、水田15㌶、畑1・8㌶を管理。また、ビニールハウス8棟で、トマトやカボチャ、ブドウなど多品目の野菜や果物を栽培し、自社産農産物を使ったスイーツを手掛けている。

佐藤代表は「荒れ果てた農地を受託して生産面積、品目を増やすとともに、6次産業化にも取り組んで地域の活性化を図りたかった」と話す。

当初は「紫いものレアチーズケーキ」1種類から販売を始めたが、徐々にパウンドケーキや焼き菓子、パン、ジャムも製造。季節ごとに収穫される野菜や果物をふんだんに用いて提供している。レアチーズケーキ(6号)は3500円。各種パウンドケーキ(1本)は1500円。各種シフォンケーキ(17㌢)は1200円。新商品も開発し、消費者の心をつかんでいる。

「栽培でも真面目におごることなく取り組み、加工でも素材そのものの味を大事にしている。能書きは聞かれたら答えるくらいにし、ただ分かりやすく『食べてみてほしい』だけで伝わるものを作っている」と佐藤代表。「『ラルジュラッシュの商品は一味違っておいしい』と感じてもらいたい」と続ける。

東京都で開催されたイベントでは、スイーツ購入者全員に自社産ブランド米「青龍米」600㌘を無料で配布。米は栽培管理を徹底したうえ、熱風での乾燥と常温放置の時間配分をしっかり行い、米粒全体の水分を均一化させる「テンパリング乾燥」を行い、岩蔵で貯蔵した。「出し惜しみせず提供している」と佐藤代表。後日、米の大量注文があり、自信につながっている。

商品は店舗のほかインターネットで販売。今秋には、市内にイートインスペースが併設されたアンテナショップをオープンし、自社産食材、地域の特産品を用いたメニューを提供していく。

佐藤代表は「販売拡大、生産体制を整えていくと、さらに多くの出会いがあり、協力がある。自社で対応していない農産物は、その農産物を作る農業者と連携して6次化につなげたい。人と人とのつながりを大切に地域を挙げて農業を盛り上げたい」と話す。

 

ページの上部へ