農業共済新聞記事バックナンバー

2017年11月2週号

Iターン農業でマコモダケ栽培 町の特産品へ

内藤靖人さん(山元町)

【山元町】東日本大震災の復興ボランティアをに参加したことを契機に山元町に移り住んだ内藤靖人(やすひと)さん(32)は、新規就農してマコモダケ栽培に取り組む。「自分に続く農業者が出てくるようにマコモダケを町の特産品として定着させ、町を活気づけたい」と話す。

内藤さんは2013(平成25)年8月、埼玉県から山元町に住民票を移すと、14(平成26)年4月に内藤ファームを設立。現在、従業員と二人で水田30㌃でマコモダケを栽培するほか、畑55㌃でニンニク、カボチャ、ハクサイ、トウガラシを手掛けている。
「移住して半年ほどは蔵王町の農家で研修し、その後、被災した農地を借りて『一点紅』という品種のマコモダケ栽培に取り組んだ」と内藤さん。「復興が進むにつれ若者が町を離れていく状況を目の当たりにし、若い人に町の魅力を再認識してもらう一つとして農業の道を選んだ。地域を元気にしたい」と続ける。
マコモダケは、イネ科の植物「マコモ」の根元にできる肥大化した茎の部分をいう。夏場の暑さでマコモに寄生する黒穂菌が作用し、茎の一部が大きくなる。食用部分は長さ30㌢ほどで、タケノコに似た食感とトウモロコシのような甘さがある。
栽培は、3月に前年収穫した株を掘り起して株分けし、育苗することから始まる。4月に移植田を耕起して施肥を行うと、5月上旬に20㌢ほどになった苗を植え付けていく。収穫時期となる10月上旬までは、1カ月に2回の除草と追肥を手作業で実施。草丈は2・5メートルにもなる。
「マコモダケは成長するスピードが早いので、収穫するタイミングに注意を払っている」と内藤さん。手作業で1日20㌔ほどを刈り取り、農産物直売所「夢いちごの郷」で販売するほか、ふるさと納税返礼品として提供している。
同町主催のイベント「山元はじまるしぇ」などにも積極的に参加し普及に努め、内藤さんは「新規就農者のモデルケースとなり、自立した農業を確立したい。その上でマコモダケを町の特産品にし、若い人たちに町の魅力を発信していきたい」と話す。

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