農業共済新聞記事バックナンバー

2017年11月3週号

希少淡水魚シナイモツゴ 保護しながら環境保全米

シナイモツゴ郷の米つくり作り手の会  (大崎市鹿島台)

【大崎市鹿島台】「豊かな自然を守りながら、この土地が育んだ米をブランド化していきたい」と話す、大崎市鹿島台の「かしまだいシナイモツゴ郷(さと)の米(まい)作り手の会(会員10人)」の会長・吉田千代志さん(70)。大崎市指定天然記念物の淡水魚「シナイモツゴ」の生態と生息環境を守るとともに、環境保全米を手掛けてブランド化に努めている。

かしまだいシナイモツゴ郷の米作り手の会は2007(平成19)年に発足し、シナイモツゴが生息する大崎市鹿島台の広長と深谷地区のため池の水を利用して環境保全型農業に取り組んでいる。

現在、生産部門は4人で対応。水田130㌃ほどで「ひとめぼれ」と「ささ結」を作付けし、「シナイモツゴ郷の米」として販売している。

吉田会長は「収穫した米は『NPO法人シナイモツゴ郷の会』の認証を受けてブランド化している。ため池の水だけを利用した圃場で生産するが、郷の会が実施する年2回の水質調査を受け、用水路と圃場の水質状況を把握し、環境に配慮している」と話す。

郷の会の認証には、生産基準も設けられ、JAみどりの環境保全米生産基準に基づき、化学合成農薬使用成分を慣行栽培の5割以下、化学チッ素成分を10㌃当たり3・5㌔以下で栽培している。吉田会長は「多くの基準をクリアした1等米をシナイモツゴ郷の米というブランドで販売している。自然と調和した安全・安心でおいしい米を提供したい」と話す。

米は、電話やFAXで注文を受けるほか、同地区のAコープで販売。「米本来の味がしておいしい」と好評を得ている。

ブランド米とともにシナイモツゴの生体や生息環境のPRにも積極的で、郷の会とともに市が主催する「おおさき生きものクラブ」の受け入れを実施。地元の子どもたちとシナイモツゴの放流や生き物の観察をするほか、稲刈り体験などを行って自然と農、食のつながりの大切さを伝えている。

吉田会長は「今後もシナイモツゴやゼニタナゴなどが生息する自然環境を守りながらここでしかできない米作りをし、ブランド化していきたい」と話す。

問い合わせ先:かしまだいシナイモツゴ郷の米作り手の会  電話・FAX050‐1531‐3774

 

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