農業共済新聞記事バックナンバー

2018年1月3週号

宮城の新ブランド 伊達いわな 料理の幅に期待

㈲菅原 (大和町)

【大和町】さまざまな料理の食材として利用できると、新たな地域ブランドとして注目されている「伊達いわな」。2016(平成28)年1月の商標登録を受け、養殖・販売に取り組む大和町吉田の菅原哲(さとし)さん(「有限会社菅原」大和場長・42歳)は「知名度を高め、販路を広げたい」と話す。

県挙げて量産体制

伊達いわなは、宮城県固有の原種イワナをもとに開発された全雌(めす)三倍体イワナで、身が締って程よく脂がのり、肉厚な白身が刺身や寿司ねたとして高く評価されている。

県水産技術総合センター内水面水産試験場が1995(平成7)年から開発に取り組み、その後、同社などの県内養魚場と連携して量産体制を確立。2013(平成25)年に伊達いわなと命名し、16(平成28)年1月に商標登録された。新たな特産品として、養殖業振興、普及を図っている。

全雌三倍体イワナは、通常のイワナが持つ2組の染色体を3組に増やす不妊化技術を施し、卵を持つことなく産卵期の成長停滞や身質低下が起きない。養殖期間2~3年で体長50㌢・体重1㌔ほどに成長するという。菅原場長は「肉質が変わらないため、周年、安定した品質、数量が供給できる。味は川魚特有のくせがなくヒラメに近い。活絞めして2日ほど寝かせるとよりうま味が増してくる」と話す。

河川上流と似た環境

同社では、伊達いわなをはじめ、ヤマメやイワナ、ニジマスなどの渓流魚約120万尾を、同町のほか、蔵王町や岩手県二戸市などの養魚場で養殖している。「養魚場ごとの水温や水質の違いをうまく利用して成長に合わせた環境のローテーションをしている」と菅原場長。成育する河川上流の澄んだ冷水域と似た環境を用意するほか、成育条件の変化に対応し、ストレス軽減を図っている。

主な販路は、仙台や関東方面の市場出荷のほか、県内の飲食店や寿司店。個人向け宅配や加工品のギフトセットも好評を得ている。

昨年4月には、同町の南川ダム湖畔に直売所を兼ねた加工場がオープン。週末限定の営業にもかかわらずにぎわいを見せている。

「伊達いわなを多くの人に知ってもらい、販路拡大に努めたい」と菅原場長。豊かな自然環境だからこそできる取り組みは、渓流魚養殖の新たな可能性となっている。

【お問い合わせ】

[渓流魚の生産・販売・卸] (有)菅原 〈TEL・FAX〉022・342・2475

 

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