農業共済新聞記事バックナンバー

2018年2月3週号

 

セリ 全量を直販 自ら開拓した20店舗

三浦隆弘さん(名取市)

【名取市】「田んぼと向き合い、おいしいセリを作っていきたい」―名取市下余田の三浦隆弘さん(38)は、15年前から農薬や化学肥料を使用せずにセリを栽培し、自ら販路を開拓して全量を直接販売している。三浦さんは「実需者の声を直接聞くことでより生産に責任を持つようになった」と話す。

三浦さんは、セリ30㌃を作付けするほか、水稲、ミョウガダケなどを家族と共に栽培している。

農薬や化学肥料を使用しない有機農法は、県農業短期大学(現宮城大学)を卒業してから環境問題に取り組む市民団体やNPO法人で活動していた経験が影響している。

納品まで鮮度を大切に

「環境に配慮し安全安心なセリを手掛けたいと、2003(平成15)年から有機農法を取り入れたが、最初は環境に良いどころかセリが育たず、5年ほど収穫できなかった」と三浦さん。しかし、自然から目をそらさずきちんと向き合うことで好転し、病気や害虫に負けない、香りや味がしっかりするセリを生産できるようになったという。

水田周辺にいる動植物は、その年や季節ごとに違うため、三浦さんは自然の中での動植物の働きを注意深く観察することを心掛けている。「本来の生態系を大事にし近づけることで、セリ自体もより一層風味が増していく」と話す。

10月からの収穫に向け、8月ごろに代かきした水田に自種(じだね)を隙間が出ないよう手作業で定植。販売は翌年の5月中旬まで1日20㌔を目安に行っている。

販売先は自ら開拓したレストランや飲食店で、仙台市内を中心に東京や札幌など20店舗に及ぶ。納品するまでの間、調整したセリは根の部分を水につけて鮮度を保つことに努め、三浦さんは「新鮮な状態で届けたい」と話す。直接納品する際に顧客の生の声を聞き、「おいしかった」と言われることで生産者としてのやりがいと責任が一層強くなったという。

三浦さんは「次世代の子たちに生産する喜びや魅力を伝えられる農業者になれるよう取り組んでいきたい」と話す。

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