農業共済新聞記事バックナンバー

2018年3月3週号-1

竹林整備と竹炭製造・販売 やってみっか

地域振興目指し企業 で起業

高橋裕紀さん(加美町)

【加美町】「やってみっか」---加美町中新田の高橋裕紀さん(67)の口癖だ。定年退職し帰郷後、荒れた竹林を整備する傍ら竹炭作りを開始。町の起業者育成支援を受けて、屋号「やってみっか奔舎(ほんしゃ)」を設立し、竹を用いた加工品を手掛けて直売所などで販売している。「何でも試してみる『やってみっか』の精神で奔走したい」と話す。

高橋さんは2011年、国家公務員を定年退職し愛知県名古屋市から帰郷。実家敷地内の荒廃竹林4㌃を整備しながら竹炭作りを始めた。

「不要な竹を燃やしているうちに竹炭にできないかと考えた。本やインターネットで調べ、試行錯誤して作った竹炭を地元の手作り市などに出展すると、町の起業者育成支援制度を勧められた」と高橋さん。15(平成27)年に応募し認定されると、屋号を「やってみっか奔舎」にして活動を本格化した。「『やってみっか』が口癖で、田舎を奔走する意味で『やってみっか奔舎』と名付けた」と話す。

主な事業内容は、竹炭や竹酢液、工芸品などの製造・販売のほか、伐採・搬出などの竹林整備の支援だ。「里山に拠点を構え、価値を見つけて届けながら、里山をより豊かに美しくする活動をしたい」と高橋さん。「自生するモウソウチクの北限は東北中部といわれている。これを強調し『北限の竹』と称している」と話す。

また、竹炭は炊飯や水道水の浄化に安心して使用できるよう「日本一清潔」であることを徹底する。汚れた竹は使用せず、密閉された容器の外から加熱して製炭。その後、圧縮した空気を吹きかけて炭粉などを飛ばし、3回以上水洗いして専用の乾燥機で仕上げている。

販売先は、地元の直売所「やくらい土産センター」や「あゆの里物産館」を中心に11カ所。高橋さんは「『こんなきれいな竹炭は初めて見た』と言われたときはうれしかった。支えられる側から社会の担い手になり、喜ばれることに喜んでいる」と話す。

今後は、インターネット上での販売を強化するほか、荒廃竹林保有者の竹を切り出し、活用する支援の拡大を検討。高橋さんは「『竹切り隊』や『タケノコ掘り隊』といったボランティア・ワークショップを開拓し、余分な竹を増やさない取り組みもしたい」と意欲的だ。(今野)§E

 

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