農業共済新聞記事バックナンバー

2018年4月2週号

「資材から食材へ タケノコを地域ブランドに」

たけのこ工房吉左衛門(松島町)
【松島町】松島町竹谷でタケノコの水煮加工・販売を手掛ける「たけのこ工房吉左衛門(きちざえもん)(丹野隆子(りゅうこ)代表・60歳)」。東日本大震災以前はカキ養殖に使用する資材だった竹を、タケノコとして食する食材として活用し始めた。丹野代表は「竹林を再生させ、タケノコを新たな地域ブランドとして届けていきたい」と話す。

 たけのこ工房吉左衛門は2016(平成28)年1月、柔らかな食感が特徴の松島産タケノコを売り出そうと設立した。同年4月から水煮タケノコの加工を開始。同時に、インターネットを介して資金を募る「クラウドファンディング」を活用し、資金の一部を竹林整備に充てるなどして竹林の維持に取り組んでいる。
丹野代表宅では震災前、水稲のほかにカキ養殖を手掛けていた。しかし、震災による津波でカキ棚が流出。廃業に追い込まれ、カキ棚に利用していた竹は切り出されることがなくなってしまった。所有する竹林3.1㌶はあっという間に荒れ果て、丹野代表は「何とかしたいという思いだった」と振り返る。
13(平成25)年、地域の仲間とともに竹の伐採を開始。竹林整備が町の緊急雇用創出事業に盛り込まれていたことが後押しとなり、荒廃する竹林は十分に日光が差し込む「たけのこの山」に変わっていった。
タケノコの加工では、鮮度を優先。朝採りしたタケノコの皮を手作業でむいて熱湯でゆでた後、クエン酸で殺菌・消毒処理し、真空パックにしている。
収穫は、丹野代表と常時2人のパート従業員で早朝5時ごろから2時間かけて実施。一度に50㌔~100㌔収穫している。丹野代表は「収穫したタケノコはその日のうちに加工し、新鮮さを大事にしている。柔らかさと程良い歯ごたえが好評」と手応えを感じている。
主な販路は、町内根廻(ねまわり)地区の「ねまわりの野菜畑」をはじめ、物産店やスーパー、ホテルの売店など。商品は17(平成29)年2月、町の魅力を発信する優れた商品として「松島ブランド」の認定を受け、ふるさと納税の返礼品にも選ばれた。
丹野代表は「良質なタケノコを生産し販路拡大に努めたい」と話し、今後は、タケノコ狩りや里山散策など、竹林を活用した体験事業の展開も計画。地元の身近な食材タケノコが、地域農業振興の一翼を担っている。
【お問い合わせ】
たけのこ工房吉左衛門
〈TEL・FAX〉
022・354・3078
090・7799・2227
〈営業日時〉
4月20日~5月31日
9時~17時
・収穫期間は毎日営業。都合により臨時休業あり

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