農業共済新聞記事バックナンバー

2015年8月4週号

地場産農産物でシャーベット 素材の味を楽しんで

渡辺信雄さん、生子さん(栗原市)

【栗原市】自然と人に魅力を感じ、栗原市一迫に移り住んだ渡辺信雄さん(66)、生子さん(64)夫妻。地元で取れた農産物を生かしたシャーベットの販売店「もぎたてフルーツ工房 土里夢(どりーむ)」から、自然が育んだおいしさを発信する。

東京で暮らしていた渡辺さん夫妻は2007(平成19)年、度々訪れていた栗原市に栗駒杉を使った家を建てた。当初は月に2、3回通う程度だったが、東日本大震災を契機に移住を決意。信雄さんは「自然と人の温かさがすてきで、何か役立ちたいと思った」と振り返る。
土里夢は、同地区の農家11人で構成する生産組合「ドリームファーム岩下」が開設(66平方㍍、木造平屋建て)。同組合で生産された農産物を有効利用しようとシャーベットを考案した。
材料は、組合が栽培するモモのうち不ぞろいなどで規格外となったものや、柿やウメ、イチジクのほか、トマトやエダマメなど地場産のもの。「とびきりおいしいモモが、不ぞろいだったり傷で市場に出せない。形を変えて提供したいなって」ときっかけを話す生子さん。シャーベットが好きで、味や素材を1年間吟味し研究を重ねた。土里夢の所長に就いた信雄さんは「たくさんある自然の産物を生かし、良さを伝えていきたい」と強調する。
シャーベットは牛乳を使わず、本来の甘さが生きるよう完熟の果実を使う。朝取りしたものを午前中に下処理し、その日のうちに加工。糖度を23度に安定させることに気を配っている。
信雄さんは「何を食べているかはっきり分かると、お客さんから素材そのものを褒められる」と手応えを感じている。カップのイラストには、人が口にしておいしいものは動物たちもひそかに狙っていることをユーモアを加えて描き、自然と共生していることを伝えている。
一つ一つ手作業のため、多くても1日当たりカップ400個分(1カップ120㍉㍑)作るのが限度で、平均ではカップ200個分を製造。食べごろを逃さず、季節限定の味を多数用意していく。
渡辺さん夫妻は「無理をせず楽しみながら、栗原の特産物として認識されるように頑張りたい」と思いを膨らませている。

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