農業共済新聞記事バックナンバー

2018年10月1週号

育苗ハウスを活用してブドウ栽培

【丸森町】新品目導入に対する投資を抑えようと、育苗用ビニールハウスを活用して増収につなげている組織がある。丸森町の「丸森ぶどう栽培研究会(齋藤健(つよし)会長・73歳、会員11人)」。会員は、水稲育苗後の遊休期間にブドウを栽培し、手掛けたブドウは、直売所の人気商品になっている。
同会は2001(平成13)年、同町直売所「不動直売センター」の目玉商品を作ろうと設立し、ブドウ栽培に取り組んでいる。
栽培には、育苗やジャガイモ、ハーブを育てるビニールハウスを併用。ブドウの枝葉は育苗後に伸長するため、場所や作業が競合せず、効率良く増収が期待できる。齋藤会長ほか4人は、自身のビニールハウス以外に離農で未使用となった大型ハウスを活用。設備投資を抑えながら取り組んでいる。
品種は、大粒の「藤稔(ふじみのり)」をはじめ、甘く貯蔵性に優れた「スチューベン」、香りが良く高糖度の「シャインマスカット」など。苗木植え付けから3年で安定した収量が見込め、収穫後は同直売所に出荷している。
「形、食味の良いブドウを作るには、摘果摘粒作業が不可欠で、怠ると色付きが悪く、糖度も上がらない」と齋藤会長。着果量は1平方㍍に3房とし、10㌃当たり3千房を目標にしているという。
ブドウは「みずみずしくて甘い」と好評で、同センターでは収穫期を迎えると出荷を心待ちにする利用者が多く訪れ、午前中には売り切れてしまうほど。先月、「清滝ぶどうまつり」が開催されると、特設テント内に会員が丹精込めたブドウが並び、来場者は試食コーナーで今年の出来を味わいながら買い求め、2時間で560房が完売した。
「皆さんに喜んでもらうことが、良品質のブドウを作ろうという気概になっている。仲間と切磋琢磨しながら取り組むことが何より楽しい」と齋藤会長。「今後は、春先の温度管理でハウス内を密閉し、室内温度を上げることで例年より2週間早い収穫を目指したい」と話す。

 

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