農業共済新聞記事バックナンバー

2018年11月3週号

 「捕獲シカ おいしく活用」

【石巻市】「有害獣とはいえ一つの大切な命。ただ廃棄されるよりは、おいしく食べてもらい、みんなに喜ばれれば、シカもうれしいはず」と話すのは、石巻市河北地区で食肉販売会社「丸信ワイルドミート」を経営する代表の三浦信昭さん(76)。捕獲したシカを自宅の食肉処理施設でさばき、精肉やソーセージとして販売する。
 「使い切る」を信条に
   ソーセージなど加工も

 三浦さんは30年前から、野生シカを処理し自家消費していた。2008(平成20)年12月に、自宅に食肉処理施設を設けて、本格的な加工・販売を始めた。
 シカは、自身が支部長を務める県猟友会河北支部から購入し、仕留めて(止め刺し)から1時間以内に、清潔に管理された加工場で処理を施す。
 迅速にさばかれたシカ肉は臭みが少なく、軟らかいと評判だ。
 パッケージには、地元「石巻産」の宣伝と、放射性物質が基準値以下であることを表記して、安全性を明示する。
 精肉は部位ごとにパック保存、またはソーセージやハムなどに加工され、地元の道の駅で販売。電話やファックスでも注文を受け付ける。上質なシカ肉を求めて、東京や名古屋から取り寄せの依頼が相次いでいる。
 さらに、角や皮は知り合いの団体に譲り、アクセサリーや革製品として生まれ変わる。
 有害獣を有益に還元する活動が口コミで広まり、三浦さんのもとには県内外から多くの人が視察・研修に訪れる。
 三浦さんは「奪った命を余すことなく使い切るのがわれわれの務め。このような取り組みを広げて、地域の活性化にもつなげたい」と話す。
 シカによる水稲や野菜などの農作物被害は県内で年1,540万円に及び(県農産環境課調べ)、地域農業の保全にも貢献する。
○丸信ワイルドミート(0225-62-1948)

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