農業共済新聞記事バックナンバー

2015年9月3週号

水稲「金のいぶき」で米油など加工品 可能性を信じて

丹野信男さん(松島町)

【松島町】「米は主食だけでなく、さまざまな使いみちがあると考えていた」と話す、松島町の「有限会社セントラルライス中通」の丹野信男代表取締役(68)。2年前から水稲「金のいぶき」を栽培し、米油業者と連携して米油のほか、麺や煎餅などを手掛け、米作りの可能性を広げている。

セントラルライス中通では水稲25㌶のうち、金のいぶきを231㌃で作付け。主食用以外に米油、麺や煎餅などに加工している。
米の消費が伸び悩む中、米油に着目すると2011(平成23)年から「松島アグリ塾」に参加。米の有効利用について検討を重ね、これまでに培った栽培技術を生かしながら作付けできる金のいぶきにたどり着いた。丹野さんは「遊休農地の解消につながると期待できた」と振り返る。
金のいぶきは、県古川農業試験場が開発した。通常の1・5倍ほどの胚芽があり、ぬかも厚い。アミロース含有率が低く、血圧の上昇を抑制する効果が期待できるGABA含有量が約3倍、その他ビタミン類も豊富に含む。
「コシヒカリ」よりも出穂が遅く、収穫は他品種より2週間くらい遅らせる。倒伏しないように施肥量を調整することを除けば、栽培方法は慣行と変わらないという。
米油は、ぬかや胚芽から抽出され、食用になるのは原料のわずか1%。抗酸化作用や血中コレステロールの低下、動脈硬化防止といった効果が期待される。現在は町内のホテルや料亭などで使われ、PRされている。
丹野さんらは、本年度から新たに団子の商品化を始めた。米ぬかを除去した後の白米部分の有効活用が狙いだ。麺や煎餅、団子の販路は、提携する米油業者のほか、農業生産法人㈱あすファーム松島を通じて全国に広がる。
今後の展開について、丹野さんは「玄米食用の割合を増やすと米油に使う分が減ってしまうため、その振り分けが課題」と話す。作付面積を増やすと同時に、より有効な利用策を確立して、経営を安定させたいと願う。
▽問い合わせ=セントラルライス中通(TEL022・352・2251)

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