農業共済新聞記事バックナンバー

2019年9月3週号

ブドウの施設栽培~新たな特産目指す~

【栗原市】「シャインマスカットが市の新たな園芸特産品となるよう生産者が増えるとうれしい」と話すのは、栗原市金成の株式会社アグリ東北で代表取締役を務める田中学(まなぶ)さん(68)。2015年から水稲育苗ハウスを利用したブドウ品種「シャインマスカット」の栽培に取り組む。
「ブドウは日持ちしないイメージがあったので栽培に踏み切るまで1年ほどかかった」と話す田中さん。シャインマスカットの優れた貯蔵性が栽培の決め手だったといい、2棟(3㌃)の育苗ハウスで年間約800㌔を収穫する。
育苗箱のスペースを確保するためハウス内の両端に苗木を植えるE型短梢剪定栽培を実践。間口3間半(6.3㍍)の幅広で腰高のハウスを新たに設置した。
ブドウは葉の展葉時期が遅いため生育管理は水稲育苗後の5月下旬以降となりハウスの有効活用を可能にする。さらに、短梢剪定は簡易な剪定作業のため、初心者でも取り組みやすく作業の効率化が図れる。
田中さんは全国ブドウ研究大会に参加し優良な事例から研究を重ね、その知識や経験を地域に還元しようと18年に「栗原ブドウ研究会」を立ち上げ、会員15名と情報交換を行っている。「知識を出し惜しみせず、互いに切磋琢磨して技術の向上を目指したい」と話す。
会員からは「ブドウは繊細な作業が多いので情報収集が欠かせない。仲間たちから経験や実践した技術を聞けるのは有意義だ」と前向きな声が上がる。
アグリ東北のある同市金成小堤地区は春はイチゴ、秋はリンゴと果樹栽培が盛んでだ。これに夏のシャインマスカットを加えて1年を通して人が集うようになればと田中さん。「ブドウの木の下でお客さんたちとのイベントを企画できればいいね」と夢を膨らませる。
「今後は加温栽培に挑戦し、お盆前の出荷に対応していきたい。いずれ坪当たり1万円の売り上げを目標に頑張っていく」と意気込む田中さんだ。
(経営規模=従業員8人、水稲59㌶、大豆65㌶、リンゴ15㌃) 

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