農業共済新聞記事バックナンバー

2015年12月2週号

大豆、水稲 頼られる法人に

玉浦中部ファーム(岩沼市)

【岩沼市】東日本大震災で地区全体が被災した岩沼市玉浦地区で、地域の担い手として活躍する「玉浦中部ファーム(佐藤武直夫代表理事)」。復旧した農地での作付けが2年目となる今年は、水稲37㌶と大豆65㌶、ナタネ3.4㌶を栽培。ふっくらと実った大豆が収穫の時期を迎えている。

玉浦中部ファームは、前身である玉浦中部生産組合のメンバー8人で2013(平成25)年12月に設立。佐藤代表は「経営感覚が身に付くことと、受けられる助成金の幅が広がることで、経営リスクが少なくなる」と法人化のメリットを話す。補助事業を活用しながら、必要な施設や農機具を整備した。
以前から地域の担い手として大豆転作を手掛けていたこともあり、大豆の栽培面積は亘理名取管内(名取市、岩沼市、亘理町、山元町)で最も広い。大豆は「ミヤギシロメ」を主力に、今年からは新たに「あきみやび」を9㌶作付け。中生品種でミヤギシロメより生育が早く、作業の分散を見込んでいる。
しかし、今年は10月下旬からの定期的な降雨と、気温が高めに推移したこととで、大豆の乾燥が進まず、収穫が遅れているという。佐藤代表は「水分が多いまま収穫すると、汚粒の原因となって品質が低下する。しかし、乾くのを待っていると豆がはじけ、減収してしまう。天候相手の難しいところだね」と気をもむ。
作付け耕地は地権者と作業受託契約を結び、ブロックローテーションを組みながら圃場を選定する。「会社で所有する農地はないので、地元の協力なしではやっていけない」と佐藤代表。取り組みを知ってもらうため、今年の稲刈り終了後に収穫感謝祭を開催し、地域の人たちと交流を深めた。
一方で、100戸近い地権者と交わす契約書を毎年作成するため、事務量の多さが課題になっているという。また、作付面積が年によって変動することから、「ゆくゆくは、農地中間管理機構を活用して効率的な経営に取り組みたい」と話す。
佐藤代表は「100㌶規模の作付けを安定させ、地元の担い手として慕われる法人にしていきたい」と抱負を述べる。

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