農業共済新聞記事バックナンバー

農業共済新聞4月2週号

肉用牛繁殖 足腰強い経営へ

佐藤裕康さん(栗原市)

【栗原市】「環太平洋連携協定(TPP)が締結された後の、畜産に対する影響が心配。強い基盤を早くつくりたい」と話す、栗原市栗駒の佐藤裕康さん(51)。肉用牛繁殖と水稲2・8ヘクタール、採草地1・4ヘクタールの作付け管理に取り組んでいる。

佐藤さんは3年前、長年勤めた会社を退職。それまで農作業は手伝う程度だったが、もともと牛が好きだったこともあり、好きなことをやろうと就農を決心した。
父親が飼っていた黒毛和牛を、知人の勧めで4頭から11頭へと増頭。飼養管理は佐藤さんが主に行い、2人の息子も作業を手伝ったり、出産間近の牛がいると牛舎でずっと見守ったりして支える。
素牛〈もとうし〉の半分以上は鹿児島から導入したもので、乳頭の本数が多い牛を選ぶ。「昔は乳量が少ないと敬遠されていたが、むしろ多く出る」と佐藤さん。導入後は、状態を見ながら餌の量や飼料の配合の仕方を把握していく。
粗飼料はほぼ自給で、発酵粗飼料(ホールクロップサイレージ)とわらもすべて自家生産。近所からわらをもらうときは、堆肥にして還元している。
以前は気づかなかった発情の兆候も、逃さず見つけることができるようになり、血統のいい牛には、鹿児島の種を付けるという。
最も気を付けているのが分娩〈ぶんべん〉で、親牛の命にもかかわるため、出産間近になると目が離せないという。分娩後も気が抜けず、性格が変わる牛に難儀することもある。
子牛市場には毎月欠かさず足を運び、情報交換を心掛ける。子牛の市場価額は高値で推移しているが、佐藤さんは1頭50万円にまで下がるとみている。それでも「全国和牛共進会で宮城の知名度を上げれば、まだまだ大丈夫」と胸を張る。
素牛を25頭に増やすため畜舎を新築中だ。「市場価額が下がっても、高く売れる牛を生産し、毎月1頭は出荷したい」と抱負を話す。

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