農業共済新聞記事バックナンバー

農業共済新聞5月4週号

両親とともに繁殖経営 高評価得る子牛を

鎌田純成さん(加美町)

【加美町】「今までで一番の高値取引で、うれしい反面、高評価につながる子牛の育成を確立したい」と話す、加美町の鎌田純成〈よしのり〉さん(33)。両親の下で畜産と稲作の複合経営を学び、繁殖和牛の子牛育成を担当する。「いろいろな意見を参考にしながら、今は日々の積み重ねを形にし、自信をつけたい」と話す。

鎌田さんは、両親とともに繁殖和牛16頭、子牛10頭を飼養するほか、水稲5・5㌶、飼料用米2・7㌶、牧草5㌶に取り組んでいる。
30歳を一つの区切りに「限られた人生の中で、好きなことを生業〈なりわい〉にしていきたい」と就農。離乳した生後3カ月の子牛を市場出荷するまで育成し、みやぎ総合家畜市場子牛市場に足を運んでは情報収集に努めている。
子牛市場では、県基幹種雄牛「茂洋」の血統を継ぐ「好平茂」や「勝洋」の産子が人気のほか、体重の大小だけではない体高の優れた子牛が評価されている。鎌田さん方でも「好平茂」などを多く交配するが、県基幹種雄牛を父に持つ母牛には近親交配を避け、しっかりした骨格で増体が期待できる鹿児島県の種雄牛「美国桜」や「夏秋花」「諒太郎」を交配している。
4月14日の子牛市場には、母牛が「かつみや」で、母の父が「勝忠平」、父が「諒太郎」の去勢牛「宮太郎」を出品。日齢266日にして体高が良く、高値で取引された。鎌田さんは「種牛は父が人工授精師に相談して決めている。市場での人気血統や肥育農家の好む体型を知っているので、育成に力が入る」と話す。
飼料給与に気を配り、鎌田さんは「牛が食いつく良質な粗飼料を確保することが基本。しっかり堆肥を入れて作付けし、刈り取りやロール梱包〈こんぽう〉する時期を逃さないよう、父と作業している」と話す。
また、子牛にとって下痢や肺炎は発育を大きく妨げるため、予防が重要になる。飼養環境を整えるため、畜舎内の換気でほこりやアンモニア臭などを取り除くほか、夏場は扇風機、冬場は保温ヒーターを設置。「冬生まれの子牛は寒さに対する抵抗力がつく前に下痢や風邪にかかってしまうことがある。体を冷やさないようジャケットやネックウオーマーを着せている」と対応する。
鎌田さんは「持って生まれた素質はもちろんあるが、人なれさせることや運動も育成期間での仕事。まだまだ勉強だ」と話す。「今はどちらかの規模を拡大するといった考えはない。一通りの作業をこなしていくうちに、方向性を見いだしていきたい」と話す。

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