農業共済新聞記事バックナンバー

農業共済新聞6月1週号

農事組合法人を設立 地域農業存続へ

農事組合法人エコルファーム(石巻市)

【石巻市】今年3月1日に石巻市前谷地地区で発足した、農事組合法人「エコルファーム」。構成員の中から最年少者を代表とし、地域農業の発展と営農継続を柱に今後を見据える。

エコルファームの前身は、2005(平成17)年に創設した「中埣営農集団組合」。組織として経営をしていく上で、後継者不足は大きな課題となる。機械の大型化や圃場整備など、農業を営む環境は整っても、若い人がいなければいずれ組織は行き詰まる。
こうした背景から法人化を躊躇していた時に、後藤嘉伸さん(44)が作業員として参加。法人化が現実味を帯びたという。
法人は、代表理事を務める後藤さんと、理事の推野和夫さん(67)、推野一利さん(66)の3人で構成。手数が多くかかる農繁期は、地元の人を中心としたパートを雇い、年々増加する面積をこなしている。
社名の由来となった「エコル」は、ハワイ語で数字の3を意味する。「3人で始めた証しを残したかった」と後藤さん。自然を相手にするという農業の原点に立ち返り、「時代が求める“エコロジー”を尊重する」思いも込められている。
本年度は、水稲25㌶と転作大豆11㌶を作付け。経営を盤石にするために、地域の受託面積を広げていく目標を掲げる。一方で、3人は作業量の限界を課題に挙げる。「特に水稲の規模が大きくなると手数が必要となり、今までと同じやり方ではできない」。今後は、直播栽培の技術などを導入し、コストダウンと労力の省力化を目指していく。
さらに「せっかく地元に根差す仕事をしていくのだから、農業だけでなく、地域の方たちが集まれるような場にしたい。ファームの作業空間を利用して、誰もがふらっと寄ってコーヒーを飲んで話をしたり、音楽を聞いたりできる。遠い将来だと思うけれど、そんな憩いの場所ができたらうれしい」と話す後藤さんには、目の前の仕事だけでない人生のビジョンが浮かんでいる。

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