農業共済新聞記事バックナンバー

農業共済新聞6月4週号

地元野菜を練り込んだ米粉麺 地域農業を元気に

隈川浩さん(亘理町)

【亘理町】地場産の野菜や米を使って食品を開発・販売する亘理町の隈川浩さん(64歳、「Well」代表)は、「地元の農産物を使い、環境と健康に配慮した商品を提供していきたい」と話す。地元農家が作った野菜を練り込んだ米粉麺「めん恋乙女」を開発し、地元の農産物のPRと商品の認知度アップを目指す。

民間企業に就職し埼玉県で暮らしていた隈川さんは、転勤で生まれ育った亘理町に戻るとすぐ、東日本大震災を経験。「復興に向けて動き出している町のために、自分も何か手伝うことかできたら」と、定年退職を機に定住し、地元の農産物を練り込んだ米粉麺の商品開発を進める。
米粉麺製造は、8年ほど前に妻の久美子さんと発案して特許を取得したおからパウダーがきっかけ。廃棄されるおからを有効活用しようと、常食できる米粉麺のつなぎに用いる。小麦アレルギーに対応できる上、高タンパク低カロリーな主食を実現する。
めん恋乙女は、県産「ササニシキ」100㌫の米粉に、地元農家から直接仕入れるイチゴやパプリカ、トマトを混ぜ込み、県産「ミヤギシロメ」のおからパウダーを使用。2年ほど前に商品化した。
「イチゴなど農産物には出荷ロスがある。市場に出せないだけで味は確か。形を変えて提供し、地元の農産物をPRしたかった」と隈川さん。自家産イチゴを提供する株式会社「一苺一笑」代表の佐藤拓実さんは「地元のイチゴを生かした6次産業化を追求する部分で協力し合っている。地元産をアピールして宣伝してほしい」と応援する。
ゆで時間が3~4分と短く調理が簡単で、温麺のほかに冷麺やサラダなど幅広い料理に利用が可能。隈川さんは「色鮮やかな見た目と、宮城大学の学生さんらが考えた印象的なネーミング効果もあって、女性や子どもさんに人気だ」と話す。
現在は、2カ月に300食ほど製造し、直売所「鳥の海ふれあい広場」やオンラインショップ「みんなの亘理」、ホームページに出品。2食入600円(税込)で販売している。
今年1月には、町が主催する新商品開発コンクール「伊達なわたり活き生き大賞」でグランプリを受賞し、町推奨特産品として2年間優先的に取り扱われることが決まった。
隈川さんは「めん恋乙女シリーズが町の特産品になるよう、地元に根付いた商品開発を続けたい」と意気込む。

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